物が多い家ほど貧乏なのは本当なのか?5つの要因を解説

環境作り

貧乏な人の家の中をイメージすると、ごちゃごちゃいろんな物が山のように溢れかえっている光景を思い浮かべるかもしれません。
このように物が多すぎる家に住んでいることと、貧乏であることには関係性がありそうですが、実際どうなのでしょうか。

物が多いほど貧乏なのは本当?

物が多い人ほど貧乏になる傾向があるのは本当のようです。
滝沢秀一さんの著書によると、逆にお金持ちであるほどゴミの数は少ない(1)とのことで、ゴミになるようなムダな物は買わず、所有する物を厳選していることが予想されます。
確かにお金持ちは欲しい物があればすぐ購入する余裕があるので必要なときに必要なものだけを購入し、「そのうち使うかもしれないから」という理由でセールに飛びつき買いだめするようなことは少なそうですね。

ただし例外も存在し、片付けが苦手な人は創造性が高い傾向にある(2 )ため、アイデアを出すことを仕事にしている人にとっては散らかった環境もマイナスばかりではなく、裕福に繋がっていることも考えられます。
また、お金に余裕があるほど購買欲求が増加する(3)こともわかっており、収入に伴う支出がありながらも家の中を片付ける余裕のないビジネスマンも中には存在するはずです。

物が多いほど貧乏である理由

なぜ物が多い人は貧乏であることが多いのでしょうか。
想定されるシナリオとしては下記があります。

  1. 物が多い環境に一度なってしまい、そのデメリットの影響を受け続けて貧乏になった(「物が多い環境」が原因であるケース)。
  2. 何かしらの根本原因によって支出が多くなった結果、物が増え、貧乏になった(「物が多い環境」が結果の一部であるケース)。

これらの観点から考えられる理由を5つ取り上げたいと思います。

物が多いほど貧乏である理由

1. 物に溢れた空間では脳のパフォーマンスが低下するため

fMRIを使って脳のパターンの解析を行った研究(4)では、作業中に目に入る情報の中で、タスクと無関係な情報は脳の働きによって抑制されていることが示されています。
脳は視角情報から必要な情報だけでなく不要な情報も選択しており、タスクが切り替わるたびにそのターゲットを切り替えなければなりません。
このことは作業環境中に意識をそらされる物が多いほど脳のリソースを使い、疲労感の増加、生産性の低下に繋がると言えます。
つまり物が多く片付いていない家では、その空間で作業をしても生産的な作業を行えなくなり、疲労も蓄積されていきがちになるため、収入も上がらないままになりそうです。
また物にあふれていると、探しものをするのもムダに時間がかかってしまうので、物理的にも生産性が落ちてしまいます。

2. 物に溢れた空間ではストレスが溜まるため

家の中を散らかっていると表現する女性ほど抑うつ気分になり、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが一日中高い状態であったことが2009年のDE Saxbeらの研究によって示されています(5)。
このように家が片付いていない人はメンタルが悪化し、あらゆることに対してやる気を出せず、その結果、仕事で高いパフォーマンスを発揮できなくなり、低収入につながることが考えられます。

3. 物に溢れた空間では食に気を付けなくなるため

2016年のPD Blieseらの論文によると、ちらかった環境で食事をすると不健康な食品をより多く食べるようになるとのことです(6)。
日頃摂取する食べ物は、当然メンタルや仕事のパフォーマンスに大きく影響を与えるため、ジャンクフードばかりを食べていると高く評価されるような仕事も難しくなっていくでしょう。

4. 人生のコントロール感が薄いと支出が増えるため

やるべきことが大量にあり、常に何かに追われているような人は、人生を自分でコントロールできていないように感じられます。
2017年のCY Chenらは、人生をコントロールできている感覚が薄い人は、買い物を多くする傾向があるというデータを示しました(7)。
娯楽的な物を買う傾向はあまり差がありませんが、日用品などの実用的な物を買う傾向が有意に高い結果となっています。
趣味のためなどに大きな出費をするわけではありませんが、「そのうち使うだろう」という考えでムダに細々とした消耗品を買い溜めてしまう傾向にあると言えるでしょう。
つまり、自分の人生のコントロール感が薄いと感じている人は、家の中に物が溢れがちになるとともに、ムダに出費しがちになります。

5. 不安やストレスを感じると支出が増えるため

2021年のAD Crostaらの論文では、COVID-19の流行(コロナ禍)によるストレス・不安と消費者行動との関係性を調査しています(3)。
恐怖や不安を抱える人ほど生活に必要な消耗品類の購入は多く、また、抑うつ症状レベルが高い人ほど趣味や娯楽のための贅沢品の消費行動が増加するそうです。
このように、精神的にストレスを感じている人ほど出費が多くなり、家の物も増えていく傾向があると言えるでしょう。
さらに買ったものを消費・処理できずに家の中が散らかった状態になると、2で記述したようにストレスがさらに溜まるため、もっと買い物がしたくなる、という悪循環にもなりかねません。

改善策

改善策

ここまで、物が多い家ほど貧乏になると考えられる原因を5つ紹介しました。
原因1~3は物が溢れていることが根本原因として貧乏につながるものです。
これら根本原因を取り除くために必要なのは下記になります。

  • 不用品は処分する。
  • 作業部屋に無関係な物を置かない。
  • 定期的に整理・掃除を行い習慣化する。

原因4、5は人の精神的状態が起因して物が増える行動と貧乏に結びつく行動の両方に走らせるものでした。
このような行動を加速させないためには、以下が重要となります。

  • 定期的にストレスを発散させる。
  • 消耗品であっても過剰にストックしないように意識する。

日用品等の消耗品の買い物自体はストレス解消に有効です(7)のでバランスをみて、すぐに使い切れる範囲でショッピングを楽しむようにしましょう。

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