電動昇降デスク?卓上タイプ?選び方と安くてオススメのスタンディングデスクとは

環境作り

勉強や作業環境を見直すときには、生産性の向上や健康面の改善のためにスタンディングデスクの導入を推奨しています。
スタンディングデスクにはさまざまな種類があり、導入する環境や目的によって最適なものは変わります。
本記事では、スタンディングデスクを選択する際に着目すべきポイントを取り上げ、オススメのスタンディングデスクを紹介します。
基本的な使い方である「立つ・座るを切り替えて使用」することを前提として考えていきます。

ErGear 電動 スタンディングデスク

ポイント1. タイプと高さ調整方式

ポイント1. タイプと高さ調整方式

スタンディングデスクのタイプには大まかに、固定タイプ、昇降タイプ、卓上タイプの3種類があります。
卓上タイプも高さが変えられますので「昇降タイプ」と呼んでも良いかもしれませんが、製品単体でスタンディングデスクとして機能する物を「昇降タイプ」としてここでは区別しています。高さ調整の方式には、手動式、ガス圧式、電動式の3つがあります(下表)。
手動式は人力のみによって天板高さを変える方式で、ガス圧式はそれに加えてガスや空気の力によるアシストが入る方式、電動式はすべて電動で動いて人の力をまったく必要としない方式になります。

タイプ \調整方式固定手動式ガス圧式電動式
固定タイプ△ 調整不可
昇降タイプ△ ハイチェアとなら可◯ 可◎ 万人向け
卓上タイプ△ 選択肢少ない◯ 可△ 選択肢少ない

金額は 固定タイプ・昇降タイプ(手動式の一部) ≦ 卓上タイプ < 昇降タイプ の傾向があります。
デスクを設置するスペースや予算に制限がない場合は、電動式の昇降タイプスタンディングデスクをオススメします。近頃は一昔前に比べて手の届きやすい価格の製品を見かけるようになりました。

固定タイプ

固定タイプのスタンディングデスクは、天板の高さが固定されたデスクで高さ調整ができません。
快適な高さにできない可能性があるため、部屋に取り付けられていて動かせない場合や、安さ重視・振動に対する安定性重視といった理由でない限りはあまりオススメはできません。
ただし、立って使用するときの高さは履物やマット等で調整し、座るときにはハイチェア(座面の高い椅子)を使用するという使い方であれば、利用することも十分可能でしょう。

昇降タイプ

高さが可変で100cm程度以上まで上げられる、もっとも一般的なスタンディングデスク(いわゆるシットスタンディングデスク)をここでは「昇降タイプ」と呼ぶ ことにします。幅は100cm程度、奥行きは60cm程度で、通常のオフィスデスクぐらいの天板広さがあります。高さの調整方式には、手動式とガス圧式、電動式があります。

手動式

手動式はクランクを回すものや、レバーで高さのロックを解除した状態で直接天板を動かすものがあります。使用者に合わせた高さ調整は可能ですが、力を必要とするので頻繁に動かすのは大変です。通常の椅子(両足が地面につく椅子、ローチェア)を使う場合には、座位・立位を切り替えるたびに低い位置までデスクの天板を下げることになりますが、それが億劫になってしまうのであまりオススメできません。ただし他のガス圧式や電動式と比較して価格が低いというメリットがあるため、頻繁に昇降させる必要のないハイチェアを使用する人や椅子をほとんど使用しない人(運動しながら作業する人)にとっては良い選択肢となります。

このタイプ・方式の中には、設置場所の移動や補助的な使用を想定したサイドテーブル型が存在します。足にはキャスターがついており、卓上タイプほどではありませんが、天板サイズが比較的狭いのが特徴です。高さ調整は人力で上下し、ネジで固定する物がほとんどです。卓上タイプ以上に安価な物も存在し、お試し・補助的な使用であればこちらを使ってみるのも手です。サイドテーブル型は安定性が低く揺れやすいですが、足の本数ができるだけ多い物を選ぶと比較的安定でしょう。

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ガス圧式

ガス圧式昇降タイプのスタンディングデスクは、ガス圧によって昇降するときにあまり力を必要としない昇降デスクです。高さを変えるときにはレバーを下げてロックを解除して動かします。手動式と比べてそれほど力を必要としないため、ローチェアを使う人にとってもとくに問題なく立位と座位を切り替えて使用できるでしょう。当然ですが、ハイチェアを使用する人も問題なく使用できます。価格は手動式よりも高く、電動式よりも低い傾向がありましたが、近頃は電動式の価格も下がってきました。とくにこだわりがなければ、電動式を選ぶことをオススメします。

電動式

高さ調整方法が電動式の昇降タイプは、個人的にもっともオススメのスタンディングデスクで、多くの人が満足できると思っています。ボタン操作のみで天板の高さが変えられ、昇降時に人の力をまったく必要としないので楽に座位と立位を切り替えられます。弱点としては、他のタイプと比べて重量が大きいので一度設置した後は動かしづらいこと、昇降させるためにコンセントを接続しなければならないという点があげられます。一番ネックであった高いコストは近頃解消されつつあるので、これらの欠点が問題でなければ最初に検討したいタイプのスタンディングデスクです。

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卓上タイプ

卓上タイプのスタンディングデスクは、座って使用する一般的な机の上に設置し、カサ増しすることで立ち作業を可能にするデスクです。コンバーターと呼ばれることもあります。高さ調整機構としてはガス圧式が大半となります。電動式も存在しますが種類が少ないです。手動式の卓上タイプとして折り畳んで持ち運べる物も存在します。こちらは、作業場所を転々とする人にとっては便利な道具かもしれません。

卓上タイプは既存の机を流用して使用でき、価格も比較的リーズナブルなので、コストをあまりかけずにスタンディングデスクを導入したい場合にオススメです。サイズがコンパクトな物が多いので、スペースに制限がある場合にも有効です。

ポイント2. 高さ可動域

ポイント2. 高さ可動域

スタンディングデスクを選ぶときには、天板高さの可動域の確認を忘れてはいけません。立って作業することを想定して買っても、自分に適した高さまで上げられない、ということになりかねません。「昇降デスク」として売られていてもスタンディングデスクになるとは限らず、上下に動かせても座る範囲でだけという場合もあるので注意です(実際に私は間違えたことがあります)。

逆に、立って使用するときの高さだけでなく、座ったときのことも考える必要があります。ローチェアを使用する場合は、その椅子に適した高さまで机が下がらなければいけません。ハイチェアを用意できる人は、机を上げたまま椅子の方を上げれば良いので問題にはなりませんが、自分の使用するスタイルに合わせて高さ調整ができるのか、その可動範囲を確認しておきましょう。

こちらの計算ツールを用いれば、立ったとき、座ったときそれぞれの目安の高さがわかります。

ポイント3. 天板サイズ

作業スペースである天板サイズもデスクを選ぶときに重要になります。デスクの設置スペースや作業に必要な道具の量や大きさによって天板サイズを決めることになるので、最適なサイズは人それぞれになります。
オフィスデスクでは幅120cm、奥行60cm程度が標準的で、昇降タイプのスタンディングデスクも同程度のサイズが一般的です。
卓上タイプは幅65~80cm、奥行40~50cm程度とコンパクトな物が多いですが、2枚の天板に分かれたタイプでは奥行が2枚合わせて40cm + 30cm程度とひとまわり大きい製品があります。
24インチのPCモニターを横に並べたデュアルモニターの場合は、幅が110cm程度あれば天板内に収まります。
またPCモニターとしての適切な距離は40~75cmとされているので、この間隔を確保できる奥行きがあれば良いということになります。
机を置く予定の場所にちゃんと収まるサイズか、実際に作業をするときに使う道具は問題なく設置でき、作業スペースも十分あるかを考えて、天板サイズを決めるのが良いでしょう

ポイント4. 耐荷重・安定性

製品の耐荷重も確認すべき事項で、机の上に乗せる物の合計の重さがこれを超えないようにする必要があります。超えてしまった場合は、昇降時にうまく動かせなかったり、使用中に思わぬ事故が発生する可能性があります。デュアルPCモニターを設置する場合であっても、ほとんどの場合は耐荷重55kg程度あれば十分なので、このあたりの数値を参考にしてみてください。ただしタワー型のデスクトップPC本体などの重量物を机の上に置く場合には、もう少し耐荷重のある製品を選んでください。

製品選びの際には、安定性にも着目すると良いでしょう。安定性が悪く簡単に机が揺れると、気が散り作業に集中できない・イライラすることに繋がります。とくに足の運動をしながら立ち作業を行う場合には、このような問題に直面しやすいと言えます。サイドテーブル型(昇降タイプ手動式の一部)はとくに揺れやすいので、運動を考えている人はサイドテーブル型を選択しないか、選ぶとしても足の本数が4本以上の物にすることをオススメします。注意点としては、耐荷重の大きい机であっても安定であるとは限らないことがあげられます。スペック値からはわからないので、機械的な構造から予想するか、商品レビューを参考にするのが良いでしょう。

ポイント5. 機能(電動式のみ)

電動式(昇降タイプ)のスタンディングデスクに限った話になりますが、付いていると便利な機能があります。
電動式を選ぶ際にはぜひチェックしてみてください。

電動式の機能①:メモリー機能

電動式の昇降タイプスタンディングデスクは、コントローラーを操作して天板の上げ下げを行います。立っているときと座っているときそれぞれの高さに調整することになりますが、メモリー機能があれば調整した高さを記憶できます。調整後の最適な高さを自分で覚えておく必要がなく、メモリーを呼び出すだけで座位と立位をすぐに切り替えられるのでとても便利です。記憶できる高さの数(メモリー数)も製品によってことなります。一人で使う場合は立ったとき・座ったときの2パターン記憶できれば十分ですが、複数人で使い回す場合には、人数分の記録ができると良いでしょう。

電動式の機能②:障害物検知

電動式のスタンディングデスクは自動で高さを変えられるためとても楽ですが、天板の下に椅子があるのに下げて挟んでしまったり、机の上のPCモニターのすぐ上に棚があるのに押し上げてしまうというような、不注意による事故が発生しやすいとも言えます。このような事故を防止できるのが障害物検知機能で、移動先に接触する物がある場合にはそれを検知し、動きを止めてくれる機能です。天板によって周りの物を押しつぶしたり、押し上げたりするのを防いでくれます。障害物検知機能のついた製品を選ぶと、事故が起こりにくくなり安心です。

電動式の機能③:ロック機能

ロック機能は、間違えてボタンを押しても動かないようにロックできる機能です。小さいお子さんがいる環境などはこの機能があると安心です。ロック機能を搭載していないスタンディングデスクの場合は、コンセントを抜いて動かないようにする、という方法もあります。

電動式の機能④:静音性

電動式のスタンディングデスクはモーターによって天板を昇降させます。製品によっては昇降するたびにモーターから大きな駆動音が発生するため、夜遅い時間には動かすのは躊躇する思いをするかもしれません。そこまでいかなくても、動作音が小さいほど気軽に昇降できるのに違いはないので、製品選びをするときには静音性にも着目することをオススメします。モーターが2個搭載された製品は耐久性や動作速度に有利であり、動作音も小さい傾向にあります。発生音は60dB以下が望ましく、40dB以下となるとかなり静かなので、このあたりの数値を目安にしてみてください。

オススメのスタンディングデスク

オススメのスタンディングデスク

最初に検討すべき万人向け

スタンディングデスクの中でも電動式昇降タイプは幅広い人にとって良い選択になるかと思います。高価であることが一番の欠点でしたがここ数年で安価な製品も出てきているので、まずはこのタイプの導入を検討すべきです。

下のように、2万円台以下の電動式昇降タイプの製品があります(セールなどで1万円台で買えるものもあります)。天板は一枚の板ではなく、分割されている板を組み付けており、板と板の間に小さな段差ができてしまいますが、これが問題となる場面というのは限られるでしょう。気になる人はデスクマットを敷くなどで対策もできますし、分解したときにはコンパクトになるので引っ越しなどでは有利になると言えます。この価格帯でもメモリ機能や障害物検知機能付きのものが多くあるので驚きです。

ErGear 電動 スタンディングデスク

さらに価格が高いものを選択できるのであれば、下記のようにデュアルモーターの電動式タイプが視野に入ってきます。耐荷重が大きくなり、昇降時の安定性や静音性も期待できます。予算に限りがないのであれば、こちらを購入すると長期的に使用でき安心かもしれません。

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とにかく低価格で試したい、小スペースで使いたい人向け

低価格帯の電動式昇降タイプのスタンディングデスクであってもまだ高い、できるだけコストを抑えたいという人には、ガス圧式卓上タイプのスタンディングデスクが良いでしょう。1万円以下で変える製品もあります。設置するスペースが限られている、今の部屋のレイアウトを大きく変えるのが手間だという人にとってもこちらのタイプが選択肢に入ります。天板サイズが小さく、すでに使っている机に設置すればいいだけなので、買ってすぐに使用できます。

使用する椅子がハイチェアまたは椅子をまったく使用しない人であれば、手動式昇降タイプも候補に入ります。とくにサイドテーブル型であればかなり低価格で購入できます。比較的コンパクトでキャスター付きの製品が多くあり、移動しやすいのでスペースに限りがある場合にも検討してみる価値があります。ただしサイドテーブル型は揺れやすいものが多いので、足の本数の多いものを選ぶと失敗が少ないと思います。

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軽いほうがいい、電源が取れない人向け

電動式昇降タイプのスタンディングデスクは全体の重量が大きく、また昇降させために電源が必要になります。しかし人によっては、頻繁に引っ越しをするので比較的軽いほうが良い人や、近くにコンセントがない場所にスタンディングデスクを設置したい人もいるかと思います。
そんな人には、ガス圧式昇降タイプがオススメです。電動式と比較して重量は小さく、電源なしで昇降できます。

座るときにはハイチェアを使う人、または椅子は常に不要な人であれば、手動式昇降タイプも選択肢になります。折り畳みできるタイプもあるので、引っ越しのときには楽に移動できます。

Bauhutte バウヒュッテ デスク BHD-1000H
E-WIN スタンディングデスク SD58-BK

参考文献

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