葉植物を元気に育てるためには、こまめに面倒をみる必要があります。ここでは、定期的に行う必要のある基本的なお世話の仕方について取り上げます。押さえておきたい4つの作業とそのタイミングは下記の通りです。
- 水やり:土が乾いたとき
- 場所の移動:季節(春・夏・秋・冬)ごと
- 追肥:5-9月の成長期
- 植え替え:5-9月の成長期(1-2年に1回程度)
この中でも水やりと置き場所については、植物を育成する上でもっとも重要な要素なので、日常的に気にかけておきたいところです。植物の種類や生育環境によっても最適な頻度や条件は変わってくるので、調子が悪くなっていないかこまめに植物の様子を見てあげましょう。追肥や植え替えについては、あまり高頻度に行う必要はありません。
上記4つの作業についてもう少し詳細に触れていきます。
水やり
観葉植物の育成でもっとも頻繁に行う作業が、水やりになります。
初心者の人は、水のやりすぎで植物を枯らせてしまう人が多いのではないでしょうか。
重要な作業ではありますが、観葉植物にとっては多少さぼり気味の方がむしろちょうどいいかもしれません。
タイミング
観葉植物に水を与えるタイミングは、土が乾燥してからが基本となります。
常に湿らせた状態にすると、根腐れの原因となるためNGです。
観葉植物は乾燥に強い品種が多いので、乾燥気味にしても問題とならないことが多いです。
水やりの頻度は季節によっても変わってきます。
夏であれば、植物の吸収する水分量も多く、蒸発量も増えるため、1日に2回与えることもあります。
対して冬は、植物が吸収する量も減るため、ほとんど水を与えなくても良くなり、数日に1回十分です。
量
植物に水を与えるときには、土にたっぷりと与えてください。
こうすることで、新鮮な空気を土壌に送り、植物の根から排出される老廃物を流し出すことがで、根腐れ予防にもつながります。
鉢の底から水が流れ出るぐらい与えるのが理想です。
ただし受け皿にたまった水をそのまま放置し、土と触れたままにしておくと、根腐れや虫の発生の原因になるので、受け皿の水は捨てるようにしましょう。
葉水
植物は根だけでなく葉や茎からも水分を吸収するため、土だけでなく葉や茎にも水やりを行うことで植物の状態を良くする働きがあると言われています。
葉や茎に水を与えるときは、霧吹きを使って葉や茎全体に水を吹きかけ、これを葉水(はみず)と呼びます。
葉水により、表面のホコリや虫を洗い流すことにもなるので、見た目も良くなり害虫予防にもなります。
葉の裏面にも十分に水を与えるのが良いでしょう。
場所の移動
置き場所は、植物の生育に非常に重要な要素です。
品種によっては、水やりと置き場所に気を付ければ、ほとんど枯れないものもあるほどです。
季節ごとに観葉植物の置き場所を移動させる必要がありますが、
品種によって好む環境は異なりますので、調子が悪いようであれば様子を見ながらより良い置き場所を探してあげましょう。
一般的には、各季節で以下を目安に置き場所を移動すると良いとされています。
ただし急激な環境変化があると植物はダメージを受けることがあるので、場所を移動するときには少しずつ移動するのが理想的です。
- 春:積極的に日光の当たる場所
- 夏:葉焼けするためカーテン越しor半日陰
- 秋:積極的に日光の当たる場所
- 冬:暖かい室内へ(可能であれば日当たりも良い場所)、夜はとくに窓辺を避ける
日光
植物は光を浴びて光合成することで成長するので、基本的に日光の当たる場所を好みます。
ただし季節ごとに日差しの強さ気温が変わるので、それに合わせて置き場所を変える必要があります。
日差しの強い夏は、直射日光により葉焼けを起こす可能性があるので、レースカーテン越しか半日陰の場所に移動するのが良いです。
春や秋は積極的に日の当たる場所にするのが良いですが、冬(とくに夜)は窓際の気温がかなり下がるので注意が必要です。
照度500〜1000Lx(一般的な事務所の蛍光灯程度)以上の光で観葉植物は生育できると言われているので、
冬の間は無理に窓際に置く必要はありません。
気温・湿度
観葉植物の多くは熱帯地域原産で高温多湿を好みます。
快適な温度は10~25度とされているので、
冬の日本ではやや植物にとっては厳しい環境であると言えます。
冬の間は積極的に暖かい場所に置いてあげましょう。
ちなみに、快適な湿度は50~60度と言われていますが、水やりに気を付けていれば湿度についてはそこまで気にする必要はないでしょう。
風通し
蒸れによる根腐れや害虫・害虫の発生を防ぐために、観葉植物は風通しの良い場所に置くと良いと言われています。
一方で、エアコンの風が直接当たる位置は葉や茎から水分が蒸発し、乾燥しすぎてしまうので注意が必要です。
追肥
土の栄養がなくなってくると、葉の色が薄くまたは黄色くなってきます。
高頻度に行う必要はありませんが、観葉植物を良い状態に維持するため、肥料を定期的に与えると良いです。
ただし与える量が多すぎると肥料焼けにより、逆に植物を弱らせてしまうため気を付けましょう。
追肥する時期は、5~9月の生育期が推奨です。
肥料には、牛糞・鳥糞などの自然由来の有機肥料と、化学燃料や鉱物資源から合成した化学肥料がありますが、観葉植物には匂いが少なく虫の発生しにくい化学肥料がオススメです。
形状によっても以下の種類があります。
- 液体肥料:水やりの要領で与える。即効性はあるが持続性がない。
- 固体肥料:土に混ぜるか、表面において与える。即効性はないが持続性がある。
植物を悪い状態から復活させたい等、早く効果を得たい場合には液体肥料を使用します。
土壌の環境を改善し元気な状態を長い間保ちたい等、長期的に効果を得たい場合には固体肥料が期待できます。
液体肥料と固体肥料を併用するのも問題ありません(肥料やけには注意)。
植え替え
高頻度に行う必要はありませんが、植物を大きく成長させるには、植え替えが必要になります。
サイズを大きくしたくない場合でも、しばらく植物を生育すると根が鉢の中でいっぱいになり、植物の調子が悪化する原因となるので、定期的に鉢から出して手入れをしてあげるのが良いです。
頻度としては1, 2年に1回程度が目安で、5~9月の時期に行うと無難です。
鉢の底から根が出ている場合や水の浸透が遅くなった、葉の色が悪くなった等の症状がみられる場合は、植え替えを必要としている合図です。
行う作業は、土を新しくし、鉢のサイズを1回り大きいものに変えるだけです。
植物のサイズを大きくしたくない場合は、鉢の中でいっぱいになっている根をカットして、同サイズの鉢に戻すのでも可です。
まとめ
観葉植物の生育で、日常的には水やりと置き場所の管理がとても重要になります。
また頻度は高くありませんが、肥料を与えることと植え替えを定期的に行うことも、植物を元気な状態に保つには必要です。
植物の品種や個体差、生育環境によっても、最適な育て方は変わってくるので、日ごろよく観察し、より快適な条件を見つけてあげてください。
コメント